■■小さな国の願い

ラトヴィア合唱名曲全集 1873年-2000年 全12巻
LATVIESU KORDZIESMAS ANTOLOGIJA 1873-2000 (1999年, SIA Sol社)

バルト海東海岸に位置するラトヴィア共和国は、長い間、「支配された土地」でした。13世紀初めのドイツ騎士団に始まり、その後ポーランド、スウェーデン、ロシア、ソ連に領有・併合されるという歴史を繰り返しました。抑圧された生活の中で、わずかながら、しかし確かに手にした「自由の地」に、音楽の芽は育ち、花開きました。

この全集は、そんなラトヴィアの美しいうたの花々を集めた、貴重なシリーズです。

全体は、宗教曲・世俗曲・民謡の三つに分かれ、さらに、年代を追って、作曲(編曲)者ごとに作品が紹介されています。ラトヴィアを代表する合唱団Ave Solによる演奏を収めたCD付き。すべての内容に英語訳が併記され、各作曲家のプロフィール(自筆譜抜粋、肖像あり)も添えられており、世界中の人々に、この「うたの花束」を届けたいという、小さな国の大きな願いが感じられます。(ちなみに、ラトヴィアの広さは日本の6分の1、人口は約50分の1デス!!)

世界のどこかで今も続く、国と国、民族と民族の争い−厳しい社会環境の中に生きる人々の姿が、かつてのラトヴィアと重なる・・・「自由」への長い道のりを思う時、どこかせつないメロディーの数々はいっそう心にしみて聞こえます。

みなさんはどんな気持ちで聞きますか。


以下、7巻(民謡)のCDに収められた曲の全タイトルをご紹介します。

1. Ligo dziesmas (2.virkne) リゴ・ソング(2番)
2. Rigas torna gala zile シジュウカラは歌う [婚約式の歌]
3. Tum?a nakte, zala zale 暗い夜に  
4. Toli muna leigavina ぼくの花嫁は遠いところに住む  
5. Kade parnaksi, balelin? 愛する兄弟よ、いつ帰るのか
6. Dziedot dzimu, dziedot augu 歌いながら生まれて [羊飼いの少女の歌]
7. Es savai maminai ねえ、かあさん 
8. Grieziet celu! すすめ!  
9. Inciti, kakiti   ねこちゃん、ねこちゃん [独身男のうた]
10. Tek saulite tecedama 沈む太陽 [母を亡くした子どものうた]
11. Alutin?, balelin? 飲み過ぎないで!   
12. Silamala triceja dancojot   森は踊る  
13. Vai bus laime?   幸せは?   
14. Aiz upites meitas dzied   川を越えて  
15. Visi ciema suni reja 犬たちが吠える
16. Div' plavinas es noplavu どんな鳥もナイチンゲールほど歌わない  
17. Kur? putninis dzied tik ko?i   わたしは牧草地をふたつ動かした
18. Redz, kur jaja div' bajari    そら、二人の着飾った男が  
19. ?vagera meitina 義兄の娘 [婚約式の歌]
20. Rotala   ダンス・ゲーム  


みちしるべ

ラトヴィア語を知るために
発音については、各巻の巻頭にラトヴィア語の発音をアルファベットで表した一覧表が役立ちます。また、意味を調べたい方は、センター所蔵資料で松原千振先生お手製!のラトヴィア−日本語の辞書があります。どうぞ閲覧なさって下さい。

ラトヴィア共和国について

初出:「ハーモニー127号2001年」2001.10.10発行/copyright(c)2001.Junko
Photogragh copyright(c)2004.mamiko.k
Design copyright(c)2004.Misa



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