プラキディス

資料室の仕事をしていると、毎日いったいどのくらいの作曲家や作品を目にするだろう。まるで津波(!)のように押し寄せてくる時もあれば、凪いだ波の日もある。

それぞれの波の通った後の浜辺には、気づくと光る小石や美しい色の貝殻が・・・それら海からの小さな贈り物にも似た、音楽のコトさまざま。ひとつ、ふたつと拾い上げて誰かに見せたい気持ちになります。

今回は、ジャパンユース合唱団(JYC)の今春3月のコンサート・レパートリーから作曲家プラキディスについて。

Peteris Plakidis

1947年、ラトヴィア・リーガ生まれ。作曲家、ピアニスト。幼少よりピアノを習い、52年、15才で作曲を始め、その後ラトヴィア国立音楽学校(LSC)に入学、Janis Ivanos氏のもとで学ぶ。69年より6年間ラトビア国立劇場の音楽監督。73年に再びLSCにおいて学ぶ。74年より教鞭をとり、91年より同校教授。初期の作品はピアノのためのもので、自身がピアノを演奏、その後室内合奏団を結成、伴奏もおこなう。演奏会では、様式観を重視したプログラミング、また演奏される機会の少ない作品を積極的に取り上げるなど、独自の視点を発揮する。作品数は比較的少ないものの、演奏回数は多い。おもな作曲ジャンルはオーケストラと器楽のための協奏曲、単一楽章による交響楽作品で(おもにラトヴィア国立交響楽団より委嘱)、それぞれ6作品。作曲技法はいわゆるヨーロッパのクラシック音楽の様式から民族的な音楽にみられる全音階のほか、偶然性の音楽など多くの要素を取りあげる。ほかに、室内合奏曲が15作品、また独唱あるいは合唱曲は約30作品、現代のラトヴィアの詩歌を積極的に用いる。その合唱曲は美しく展開するヴァリエーションと精緻なポリフォニーの技法が特徴的。(「ラトヴィア合唱名曲全集」第4巻1966-1990(2002年, SIA SOL社)226ページより抜粋引用)

JYCが選曲した「In memoriam(墓碑銘)」のほか1曲が上記「ラトヴィア合唱名曲全集第4巻」(資料室請求番号:M026329)に収められています。また、同全集では、プラキディスのほかラトヴィアの作曲家とその作品がたくさん紹介されています。各巻付属のCDで聴く合唱団Ave Solの歌声も美しい。


みちしるべ

The New Grove Dictionary of Music and Musicians, Second Edition (2001年, Macmillan社), 19巻, 889ページ

ラトヴィア音楽に関する総合的なサイトhttp://www.lmuza.lv/

ハーモニー118号 58ページ ラトヴィア合唱名曲全集全12巻より


初出:「ハーモニー125号2003年」2003.7.10発行/copyright(c)2003.Junko
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