■脈々と、深々と |
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仕事場でのe-mailはふつうのことになったけれど、一年の中でも、冬は郵便の出番が多い季節。年末のクリスマスカード、年賀状、寒中御見舞い、美しい絵、心をこめた文字をのせて紙の便りが世界中を飛び回る。 冬の初め、寒椿のつぼみを描いた絵葉書を送ることがあった。ひょいと迷った。椿は真冬のものだったかしら。もう近所でも見かけるけれど、地球温暖化の影響?手元に辞書がなく、携帯電話で「寒椿」をネット検索。「椿科。学名ツバキ(カメリア)属サザンカ(日本名)。」開花時期は、11/25頃〜翌2/10頃。公害に強い。「・・・山茶花とは、葉っぱも花も開花時期もほぼ同じでなかなか見分けがつかない。(学名的にもほとんど同じ)」なるほど。さらに思いついて「季語」の条件を足してみた。面白そうなサイトに遭遇。
この国の身近な木々の種類が多いことにあらためて気づく。一つ一つ、書き出してみる。幼い子どもが見るものすべてを指差し確かめるように、ゆっくりと。何て豊かな線のかたち。でもそれ以上に筆舌に尽くしがたい「恵み」をここに感じるのは、なぜだろう。 一人の人物が思い出される。白川静さん。以前、ある写真雑誌で読んだ記事。漢字を単なる象形文字としてではなくて、人びとの生活のかたちや、心のありように深く結びつけて説いてゆく解釈は、壮大な物語を読むようだった。実にダイナミックで、思わずぐいっと引き寄せられた。
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■みちしるべ 図書 神さまがくれた漢字たち (よりみちパン!セ02) / 白川 静 監修, 山本史也
著 初出:「ハーモニー139号2007年」2007.1.10発行/ |
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