旭井 翔一
Shoichi Asai
=2012年度・第23回朝日作曲賞受賞=
福井県出身、東京藝術大学卒業。身長192cm体重120kg以上。受賞歴は第23回朝日作曲賞(合唱) 、現音新人作曲賞(富樫賞)ほか多数。
作品表 http://www.fya.jp/~asais/
● ● ● 朝日作曲賞受賞曲 ● ● ●
「幻想小曲集」(宮沢賢治の詩による)(宮沢賢治
詩)
屈折率/風景/報告/雲の信号
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2013年度全日本合唱コンクールの課題曲に「屈折率」が選ばれました。
● ● ● 受賞のコメント ● ● ●
=賢治の詩が喚起するノスタルジー=
このたびは、朝日作曲賞というたいへん名誉な賞を授与いただき、誠にありがとうございました。自作の合唱作品を実際に演奏していただくというのは、昔からの憧れではありましたが、まさかこんな形で実現できるとは思ってもいませんでした。作曲者としてこれ以上ない幸せを感じています。
この曲集は、宮沢賢治の詩から4つ選び作曲しました。いずれも風や大地などの、自然の空気、薫りが感じられる作品です。この詩を選んだ理由というのは、言葉の響きの美しさや、豊かな表現などの魅力ももちろんありますが、自然の多い土地で生まれ、今は地元を離れ都会で暮らす私のノスタルジーな感覚を喚起したからかもしれません。
声による表現というのは、さまざまのことが可能なのは皆さんご存知だと思われますが、詩の圧倒的な表現力をストレートに活かして伝えられるよう、特殊な奏法などはほとんど使わず、しかしそのぶんリズムやハーモニーなど、独特で幻想的な響きになるよう苦心しました。そのため、一見地味な作品ですが演奏には苦労されるかもしれません。空気感や色彩、音の移ろいを感じながら演奏していただけると嬉しいです。さらにこの作品ではピアノも非常に重要な役割を持っています。声とよく融け合い一体になるよう、常に繊細な演奏を心がけることが必要となります。演奏者、聴衆の新たな感覚を呼び覚ますような作品になってくれれば幸いです。
今回、非常に多くの方々の力によって、この賞を受賞することができました。まず第2次審査で演奏してくださった奏者の皆さま、審査してくださった先生方、そして今まで私を支えてくださった友人と家族に、この場をお借りして心より御礼申しあげます。本当にありがとうございました。まだまだ若輩者なので、どうか今後ともご指導、ご鞭撻くださるよう、謹んでお願い申し上げます。
全日本合唱連盟会報ハーモニーNo.162(2012年10月号)掲載
● ● ● 主な作品リスト ● ● ●
・Sonata for Saxophone and Piano (2019)
・邦楽四重奏のための「アルコール依存症」 (2015)
・管弦楽のための「忘却曲線からの旅立ち」 (2014/2015)
・Paganini Remix for Alto
Saxophone and Orchestra (2013/2015)
・ヴィオラとピアノのための「蝶を放て」 (2009-2010)
・shifting (2020)