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渡辺正親 Masachika Watanabe


=第2回〜第6回出演=


兵庫県出身。都留文科大学、東京藝術大学卒業。
現在、新国立劇場合唱団契約メンバー、洗足音楽大学演奏要員、Newline 中国人留学生予備校講師。
オペラ公演のソリストや音楽劇の出演、CM・アニメのレコーディングと幅広く活動している。
第二回K声楽コンクール第2位、市川市文化振興財団 第
32回新人演奏家コンクール声楽部門優秀賞受賞、イタリア声楽コンコルソミラノ・ロイヤルティガー両部門本選入選。Emil Rotundu international concert 3rd Prize 受賞。TIVAA修了、ニューヨークIVAI修了。
オペラでは「ラ・ボエーム」ロドルフォ役、「ランメルモールのルチア」エドガルド役、ニーノ・ロータ「神経症患者の夜」彼役などを務める他、ヴェルディ「レクイエム」、ベートーヴェン「第九交響曲」のテノールソリストを務める。
また、日本語オペラ作品や子供向け音楽劇・オペラにも取り組み、岐阜県瑞浪市ニューイヤーオペラ「櫻堂ものがたり」龍王役、蒔田裕也「Medusa」ペルセウス役、木村哲郎「かしこいちびの仕立て屋さん」先輩・クマ役、「よだかの星」タカ役なども務めている。

    



 普段は声楽家として様々なオペラ公演に関わっている傍ら、CMやアニメのサウンドレコーディングにも関わっています。また、高校生の頃より声楽など発声技術の勉強をすることがとても好きだったことから、声楽講師としても活動しており音大受験生から音大生、プロの声楽家まで幅広くレッスンをしております。
 合唱団の指導に伺うこともあり、自分の音楽家としての起源である合唱音楽への関わりも大切にしています。

私は第2回JCAユースクワイアが初参加でした。当時20歳だった私は声楽家になることを考えておらず、ただひたすらに歌が上手くなりたい、よりレベルの高い合唱をしたいという思いが募り、オーディションに応募。初めての録音審査は新鮮で、ほぼ初挑戦のドイツ語(当時の課題曲はウェルナーの野薔薇でした)を歌ったことが懐かしいです。とにかく、無事合格して初めて参加したユースクワイアは本当に楽しく、リハーサルが全て英語で進むことが当時の僕にはすごく新鮮で、語学の大切さを感じ言葉を理解しようと英語の勉強にも身が入りました。また、歌唱時の発音の大切さを知りました。
 ただ少し後悔があるとすれば当時の僕は若すぎたし経験もなかったから、第2回コンダクターのプファフ氏の指導の深みを分かり切っていなかったことだろうか。それでも当時の僕にはユースクワイアは夢のような幸せな時間で、また来年も参加したいと思い、結果的に何年も連続で参加しました笑

 どの回も思い出深く、友人たちも多くできたけれど、その中でも特に思い出深いのは第4回ユースクワイアです。当時の僕は方向転換して東京藝大を受験、ちょうど合格発表待ちの時に参加しました。指揮者のマリアから丸一曲スペイン語のソロをもらっていた僕は、ユースクワイアの会場から藝大の合格発表に向かう高速バスの中でソロ曲を暗譜、藝大に無事合格したことを確認しすぐに会場へリターン、メンバー皆に祝福してもらいました。(これが本当に嬉しかった!)
 マリアを驚かせたかったので、ソロを暗譜したことはリハーサルまで黙っていました。そして暗譜して歌った時のマリアの顔が忘れられない。しかも君の高音を聞かせた方が良いからと移調したのも本当に懐かしい思い出です。
 本番も浜離宮ホールという凄く良い音響のホールでソロをさせてもらったことは今の僕の経験値にもなっています。(今の僕からすると当時の僕の声楽家としての歌声はまだ未熟だったので聞き返すのは恥ずかしいが。)他にも沢山お話ししたいJCAユースの話は本当にたくさんあるのですが、それはどこかで僕に直接会った時に聞いてください。

 今は僕ももうユースの年齢ではなくなってしまいましたが、今は僕の教えた生徒がJCAユースに参加しています。これは本当に嬉しいことです。
 次の世代にJCAユースの素晴らしさを繋ぐ橋渡しを僕なりにできているのかなと思っています。 若き皆さん、JCAユースは本当に良い経験ができます。余裕があれば是非、参加してください。あなたの人生が豊かになることを願っています。