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坂井威文 Takafumi Sakai


=第1回〜第4回出演・第13回アシスタントコンダクター=


1988年、堺市に生まれる。大阪府立泉陽高校音楽部で合唱を始め、近畿大学文化会グリークラブでは3年間学生指揮者を務めた。 大阪音楽大学ミュージックコミュニケーション専攻(副専攻:音楽指導者プログラム)卒業。同大学院音楽学研究室修了。在学時、大学から2度にわたり給付奨学金を授与。大学卒業時に優秀賞受賞。現在、同大学研究生。
JCDAユース合唱団とJCAユースクワイアでの海外演奏に参加するなどし、合唱音楽の研鑽を積む。これまでの経験を通した、多様性のある合唱指揮者を目指している。また、信長貴富氏などの作品リスト作成や各種文章の執筆など、合唱文化の研究も行なっている。
現在、うたごえサークルら・ら・ら、Blue☆Sky、女声合唱 結、ワインコーラス、とよのうたごえサークルこぶし、コールいづみ、男声合唱団「昴」、とよの合唱団の各団体を指揮・指導。大阪府合唱連盟・関西合唱連盟主事。宝塚国際室内合唱コンクール委員会理事。堺市民芸術文化ホール「フェニーチェ堺」の愛称考案者。

JCAユース不参加となった2016年から、思い切って音楽大学へ進学して一からの学び直しをしました。大学院では本山秀毅学長のご指導も受けながら、コロナ禍での活動を通した日本の合唱について研究しました。現在は、大阪を中心にさまざまな合唱団を指揮しています。
 この(2023年)3月末には、高校からお世話になっている作曲家・指揮者の石若雅弥先生の合唱団有志といっしょに、ニューヨークのカーネギーホールへ歌いに行きます。もしご都合があえば聴きに来てください!

2010 年の夏。「JCAユースクワイア」という企画が始まると聞いたとき、私は大学合唱団の学生指揮者でした。それまでの経験を通した「オモロそうなことはとりあえず乗っかっておく」が信条の私は、一も二もなくオーディション用の録音をして、合格通知を受け取りました。たぶん今ほど倍率は高くなかったのかもしれません。(結局、2011年3月は東日本大震災のため開催されず)
  念願かなって開催された第1回はある意味で衝撃的な体験でした。それまで身の回りの合唱しか知らなかった私にとって、初めての人たちと1週間で合唱を創り上げていくプロセスに、合宿中は正直戸惑いもありました。そうした、日本の合唱のなかにも存在する「異文化」との出会いが、今の自分の合唱観を形づくるきっかけになっています。
  一番思い出に残っているのは、三重県で開催された第3回です。リハーサル環境・温泉宿での合宿・うな重……、地元県連や行政のバックアップが素晴らしかったです。おそらくコロナ以降は宿泊が個室になっていると思うのですが、お酒を片手に夜な夜な合唱の未来からくだらない話まで語り明かす経験は何物にも代えがたいです。
  第3回の本番後にカリ・トゥルネン先生がかけてくれた、「みんなは今日大きな花を咲かせた。しかし、これからはみんながそれを持ち帰って種を蒔き、次の花をそれぞれの場所で育てて咲かせなければならない」という言葉が忘れられません。
 2019年にはトロサ演奏旅行にも参加させていただきました。日本で合唱(ひいては西洋音楽)をやる以上いつかぶつかるのが「なぜ西洋音楽をやるのか」という壁だと感じているのですが、「ヨーロッパの教会で歌う」という体験がそうしたことを考えるヒントになっています。
 大学生や若い世代の合唱人の方、ぜひJCAユースクワイアにふれてください。自分の知らない合唱の世界について、目を開かれること間違いなし!