山口雄人 Yuto Yamaguchi
=第6回出演・第11回アシスタントコンダクター=
20歳でG.U.Choir(京都)の結成と共に合唱指揮を始める。同合唱団を指揮した全日本合唱コンクールでは結成翌年の初出場から3
年連続で全国大会出場を果たし、金賞1回(2位特別賞)、銀賞2回を受賞。
2017年のJCAユースクワイア(埼玉)、World Youth Choir(ハンガリー)への参加をきっかけに翌年2018
年よりコダーイ音楽教育研究所(ハンガリー)にて留学を始める。合唱指揮や音楽教育を専門に学び、1
年間のディプロマ課程を修了した後、大学院試験に飛び級合格。その後大学院課程を全科目A(最優良)で修了し、首席で卒業。2021年9
月より同校の室内合唱団の指揮者を務め、その他ソルフェージュやコダーイ教育のコンセプトを用いた合唱指揮法クラスを担当するなど講師としても教育活動に携わる。
2022年度よりKeckeméti Cantus Nobilis Kórusと契約を結び、常任指揮者に就任。
日本では毎年夏にソルフェージュや合唱指揮法に関するセミナーを全国で開催し、2020年からOnlineによる合唱音楽の学び場として【コダーイ音楽教育研究所Online
Labo】を主宰している。
これまで合唱指揮を松原千振、Péter Erdei、Nemes László Norbert, ソルフェージュをKeresztes Nóra
各氏に師事。世界4カ国5つの合唱指揮マスタークラスにてディプロマを取得。2017/2018年World Youth Choir日本代表。第11回JCA
Youth Choir アシスタントコンダクター。
ハンガリー留学も5
年目を迎え、現在は学生として籍を置きつつ学校内外で教育・演奏活動に励んでいます。特に今年度からは念願でもあったハンガリーの合唱団と契約を結び、プロの合唱指揮者として歩みを始められた事が大きな喜びとなりました。
また2020年の夏に生まれたOnlineでの音楽教育プロジェクト「コダーイラボ」では主宰講師としてこれまで「ソルフェージュ /
和声理論」「合唱の個人練習法」「移動ドを用いた楽曲分析 / リハーサル法」「合唱指揮法」を教えて3年目となりました。Online / Offline
両者の様々な教育実践を通して日々新しい音楽教育の新たな模索・研究に邁進しています。(現在も生徒を募集しておりますので是非Twitterで私を見つけて下さい!@yutoyy57)
毎年夏の一時帰国においても教育活動の実践を主な目的としたコンサート・講習会を行い、昨年は多くの方々の支援のもと全国10都府県にて12回の「ソルフェージュ
/ 合唱指揮」に関するワークショップを開催する事ができました。将来日本の合唱界に恩返しができるよう日々音楽と向き合っています。
初参加は2017年の第6回、埼玉での開催でした。参加した当時の私は今でこそ言えるものの、音楽に対して不誠実かつ非常に思い上がった人間でした。それまで24歳で3度目の全日本コンクールの全国大会に出場し、最年少指揮者として金賞を受賞して以降鼻が伸びきっていたのです。応募書類には Sop1~Bass2
まで全ての声部に◯をし、不真面目に準備した音源で何とか選んで頂いたのでした。指揮者はイギリスから来日したJames Burton。Bachの「Komm,
Jesu, Komm」を始め、非常に魅力的な素晴らしいプログラムであったのにも関わらずほぼ初見のような状態でセッションが始まりました。
グリーグの「Ave maris stella」を皆で歌い始めた瞬間の事を今でも覚えています。第1声で他のメンバーのユースに向ける真摯で誠実な取り組み姿勢を感じ、自分を恥じたものでした。結局そこからずっと朝から夜まで休憩中も個人練習に明け暮れ、指揮者の
Jamesから「うるさい!」と注意されるほどでした(笑)。結局3泊4日のリハーサルキャンプは言葉通り練習尽くしで、それでいて歌えるようになるほど楽曲に感動し、海外のプロの指揮者によるアカデミックな音楽作りにも感化されてとても充実した時間でした。練習以外にも朝から夜まで同士達と時間を共に過ごし、まるで学生時代の修学旅行のように純粋にその時間を楽しんだ事も良い思い出です。
また、このセッションでアシスタントコンダクターを務められた市川さんとの出会いが、私の海外留学を決意する後押しとなりました。当時から「留学には興味があって。。でも
…」とウジウジしていた私に「留学は行けば何とでもなる!」と何度も笑いながら仰っていた事をよく覚えています。同年に参加したWorld
Youth Choirで海外での音楽活動に更なる意欲を募らせ、翌年から現在に至るまでハンガリーという国で音楽を楽しんでいます。音楽を真面目に学べば学ぶほど過去の自分を恥じる暇もなく音楽そのものに対して謙虚に、そして誠実である事への喜びを心から感じるようになったのです。
そう思えば私にとってJCAユースクワイアとは、小さなお山の大将の世界から抜け出し、同年代で音楽に真摯に取り組む人達に触れ、また新たな世界への背中を押してくれた最初の第一歩であったように思います。その5年後、第11回セッションでは今度は私がメンバーをサポートする立場としてアシスタントに任命されました。自身の失敗も鑑み、入念な楽譜の分析から全曲の詳細なパート分け、発音の指導まで出来る事は何でもやりました。例年以上にメンバーの準備が素晴らしく、素晴らしいセッションになったと多くの方から言ってもらえた事が一番の成果であったものの、私はその場に居る事が出来なかったのが残念でした(実はこの時夫婦で参加しており、ウクライナ侵攻による航空チケット料金の倍増で私だけ参加を断念したのでした)。
そして今年は私個人ではJCAユースとの関わりはないものの、2年前にコダーイラボで私の個人レッスンに突如現れ、「合唱はほとんどやった事がないんですが音楽を学んでみたいです」と言っていた子が突然「今年度のJCAユースに受かってしまいました」と事後報告に来ました。私が指揮した合唱団のコンサート、地元の第九合唱団に続く人生3度目の本番が第12回のJCAユースのようです。
と言うように様々な関わり方をしてきたJCAユースクワイアですが、イケイケな尖った未熟な若者から人生3
度目の合唱初心者まで誰でも挑戦できる開かれたチャンスなので是非是非チャレンジしてみましょう!音楽に真面目で、謙虚で、誠実なあなたの挑戦が実る事を心から願っています!