所蔵LPレコードデジタル・ライブラリー関連イベントの延期(2024年8月30日)

日頃は全日本合唱連盟音楽資料室をご利用・ご支援いただきありがとうございます。

7月17日より公開中の所蔵LPレコードデジタル・ライブラリーに関連し、8月に配信を予定しておりましたミニトーク(合唱指揮者・松原千振氏)は、関係者の事情により9月末の配信に延期させていただきます旨、お知らせ申し上げます。

同ライブラリーのためのクラウドファンディングにご支援者くださいました方々をはじめ、ご関心をお寄せくださる皆様には、大変心苦しいお知らせとなりますが、現在全3回配信の予定で準備を進めております。

皆様のご理解を頂けますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

公開!所蔵LPレコードデジタル・ライブラリーで聴く20世紀の「世界」
(2024年7月18日)

LPレコードデジタル化費用クラウドファンディング・プロジェクトが成立しました

おかげ様で8月13日(火)午後11時に、49日間のご支援募集期間が終了し、目標額14万円を上回る、33万1千円のご支援をいただき、「合唱音楽LP レコード・デジタルライブラリーで聴く20世紀の“世界”」プロジェクトが成立いたしました。
当ライブラリーのプロジェクトにご支援を賜りました皆様に、厚く御礼申し上げます。
https://readyfor.jp/projects/MusicLibJCA-LPdigitallib/announcements/337972

20世紀、LPレコードは‘世界’を伝えた!
音盤の劣化、再生機材の調達・メンテナンスの困難、気候変動などを背景に、多くの図書館のLPレコードは死蔵・廃棄される。
歴史の中で失われた場所の音、人びとの声を伝えたい。

全日本合唱連盟音楽資料室は、小泉文夫、門馬直美、皆川達夫の三氏の監修により収集した所蔵LPレコードについて、今井邦男(合唱指揮者)・松原千振(東京混声合唱団・正指揮者)両氏の選定による、20世紀の「世界」に光を当てたデジタルセレクション・ライブラリー60枚を、公開いたしました。(視聴料金200円・税込)

ライブラリーな散歩みちplus【eラーニング】開講
Kクラシックをあそぶ 「韓国の歌 ”Gagok”」(2023年12月13日)

全日本合唱連盟音楽資料室が、音楽体験を楽しむ「広場」としてオープンした、eラーニングクラス「ライブラリーな散歩みち plus」で、Kクラシックの歴史や演奏家たち、韓国詩の世界、韓国のアート・ソングの”いま”を知り、朴 智勲 パク・ジフン(1972− )作曲 ≪桔梗の花≫−現代歌謡の親しみやすさと芸術作品の香り高さを合わせもち、キュンとするメロディーに合わせ韓国語の発音を体験してみましょう。

主催 一般社団法人 全日本合唱連盟

対象 中学生以上

申込み受付期間 随時

参加料 760円(税込)

内容 全3回配信(各回 約25分)

セッション1  おはなし【韓国の音楽 ”Gagok”とは?】講師: 久 暁 たかく さとる

韓国における西洋音楽の歴史・日本との交わり、”Gagok”とは?、パク・ジフン作曲≪桔梗の花≫−作品と作曲家についてのお話。

セッション2 実演【歌詞を口ずさむ】講師: 權 奇元 グォン・キグォン/解説: 谷本喜基

パク・ジフン作曲《도라지꽃 桔梗の花》の歌詞を、講師による発音録音と分かりやすい日本語解説を聴きながら韓国語特有の音を声に出してみましょう。 ネイティブの歌唱発音を基本に、日本人の発音で歌詞を音楽に乗せやすいよう考慮した講師作成のIPA国際発音記号表付き。

セッション3  おはなし【韓国の詩を知る】講師: 吉川 凪 氏/協力: 一般社団法人 K-BOOK振興会

朝鮮における詩の歴史、日本との文化的なつながり、現代韓国における詩の流行など興味深く貴重なお話、韓国詩の魅力が紹介されます。

講師 / ナビゲーター

おはなし 久 暁 (音楽学者)
実演 權 奇元(合唱指揮者)
おはなし 吉川 凪 (翻訳家)
ナビゲーター 谷本喜基 (指揮・ピアニスト・歌手)

視聴期間

お申込み受付後、全3回分の視聴URLを送信いたします。約1ヶ月の視聴期間中すべての回の内容を、お好きな時間にくり返しご視聴いただけます。

お問い合わせ

当ライブラリーにご来室のうえ、申込/ご視聴なさることも可能です。どうぞ係までご相談ください。

一般社団法人全日本合唱連盟音楽資料室
東京都中央区築地5-3-2 朝日新聞東京本社内 (築地浜離宮ビル7階)
Tel 03-3547-5141 (月-金13:00-17:30)  / Mail: jcmc@jcanet.or.jp 
担当: 露木

お申し込みは or お電話で 

 【作曲家 智勲 パク・ジフン】

パク・ジフンは1973年ソウル出身。指揮者・作曲家。歌唱技術・表現力ともに高い評価を得る「安山(アンサン)市立合唱団」常任指揮者。30年以上におよぶ作曲活動は、歌曲・合唱のみならず、ミュージカル、映像、テレビ音楽など幅広いジャンルで行う。
彼の豊かな音楽性を、そのレパートリーや共演の音楽家たちのすばらしい演奏からも知ることでしょう。
https://ansanarts.com/?page_id=8870

●パク・ジフン≪桔梗の花≫ 独唱 カン・ヘジョン(ソプラノ) 、イ・ホジョン(ピアノ)、ユン・ヘリム(ヴァイオリン)

 

パク・ジフン《桔梗の花》亜洲女性合唱団、チェ・ヨンジュ ピアノ、 イ・ミョンウン 指揮 (第 24 回亜洲女性合唱団演奏会. 2014 年 10 月 18 日、ソウル)

 

●パク・ジフン≪水彩画≫ バリトンソロ、安山市立合唱団、パク・ウンファ(ピアノ)、 パク・ジフン 指揮

 

●ブラームス≪おお 美しい夜≫「四つの四重唱曲 op.92」より第4曲 安山市立合唱団、パク・ジフン指揮

 

  講師プロフィール

久 暁 (たかく さとる)

音楽学者。
音楽学・音楽評論。1992年東京藝術大学大学院音楽研究科音楽学博士課程修了。日本大学芸術学部教授。
音楽評論家として『ショパン』『モーストリー・クラシック』等の音楽雑誌に定期的に執筆を行っている。
共著書・訳書として『日本戦後音楽史(上・下)』(平凡社, 2007年)、『ギリシャの歴史』(創土社, 2004年)、ドミトリ・ババーノ『回想・モスクワの音楽家たち』(音楽之友社, 2003年)、ハーヴェイ・サックス『トスカニーニの時代』(音楽之友社, 1995年)など。校訂楽譜として『ニコライ・メトネル≪忘れられた調べ 第1集≫ 作品38』(全音楽譜出版社, 2003年)ほか。

權 奇元 (권기원 グォン・キグォン)

合唱指揮者、教育者。 米国・テキサス州立大学およびテキサス大学オースティン校で、合唱指揮と声楽を学ぶ。韓国・光州大学校大学院音楽博士修了(DMA)。2011年、安東(アンドン)少年少女合唱団を設立。同団は、その活動の斬新さ・独自性により、児童合唱団として初となる国家認定を受け、韓国内の活動を中心に、2014年「世界合唱オリンピック(現・World Choir Gamesアマチュア合唱団のための世界最大の合唱コンクール)」の参加に始まり、イタリア、日本、ブルガリアなど、海外の国際合唱コンクールやフェスティバルで演奏を重ねる。20年以上にわたる米国および韓国の合唱団での指揮、教育、地域活動への貢献は高い評価を得ている。
現在、韓国・光州(カンジュ)市立少年少女合唱団指揮者。2018年全日本こどもコーラス・フェスティバル(京都)参加。
https://gjart.gwangju.go.kr/ko/cmd.do?opencode=p05062

吉川 凪 (よしかわ なぎ)

翻訳家。
仁荷大学校国文学科博士課程修了(近代文学専攻)。文学博士。 著書: 『朝鮮最初のモダニスト鄭芝溶』、『경성의 다다, 동경의 다다』、 『京城のダダ,東京のダダ』
訳書:チョン・セラン『アンダー、サンダー、テンダー』、キム・ヨンハ『殺人者の記憶法』(第4回日本翻訳大賞)、朴景利『土地』、崔仁勲『広場』、李清俊『うわさの壁』、『鄭芝溶詩選集 むくいぬ』、キム・ドンシク『世界でいちばん弱い妖怪』など。

一般社団法人 K−BOOK振興会

2011年の設立以来、日本の出版界で翻訳・出版される韓国書籍の拡充を図るため、積極的に情報発信を行い、2020年一般社団法人化。「K-BOOK フェスティバル」、「日韓出版関係者交流会」などさまざまなイベントを主催するとともに、翻訳者育成のための「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」や「韓日翻訳者育成プログラム」なども開催している。日本語で読めるK-BOOKを紹介する“K-BOOK読書ガイド「ちぇっくCHECK」”を刊行するなどK-BOOKに親しむための情報発信にも努めている。
公式サイト https://k-book.org/

  ナビゲーター


Photo by Taira Tairadate

谷本喜基 (たにもと よしき)

和歌山県出身。東京芸術大学音楽学部声楽科卒業。
指揮者、ピアニスト、アンサンブル歌手(バリトン)、イングリッシュハンドベル奏者。主宰する音楽団体「イコラ」のプロジェクト、特にオンライン合唱団「イコラ・リモート・クワイア」はオペラ「イラストで観る≪ラ・ボエーム≫第2幕」などプロ・アマの垣根を越え、また生活する場所や年齢などを限定しない音楽活動が多くの人に支持され今後の展開が期待される。
Vocal Ensemble 歌譜喜、ヴォーカル・アンサンブル カペラメンバー。

●学校合唱団・学校図書館へのCDセット貸出 (2023年8月23日)


音楽資料室では、教育に対する支援の一環として、広く合唱音楽に親しめるように選んだ作品のCDセットを、 全国の学校合唱団や学校図書館に貸し出すサービスをしております。
授業や学校図書館の活動、国際理解への学習教材として、どうぞご利用ください。

所蔵LPレコードのデジタル化〜広域利用への一歩 (2022614)

今回のコロナ禍により活動の制限を受ける中で、デジタルの有用性−私たちがデジタルで何をできるのか、をさまざまな点で考える機会になりました。全日本合唱連盟音楽資料室は、独立行政法人日本芸術文化振興会の「文化芸術復興創造基金」(50万円)を受給し、所蔵LPレコードのデジタル化に着手しました。

この基金による支援事業は「新型コロナウイルス感染症の影響により、長期にわたる公演等の中止など、財政的に非常に厳しい状況にある文化芸術団体に対し、皆様からのご寄附を原資として、我が国の文化芸術の振興・普及を図るため、文化芸術活動を継続するための支援を行うもの」です。
--同振興会ウェブサイトより

このたびは、指揮者の松原千振・故今井邦男の二氏が精査された選りすぐりのLPレコード「CKセレクション」の中から、50点の音源をデジタイズ、オンラインストレージに保管した上で、専用のシステムから試聴できる環境を整えました。


「演奏は、場所や時、作品への思考、演奏者、楽器等により同一になることはない。その時こそ、私は考え、悩み、疑問を抱き、自らの演奏に立ち向かうことの重さを思う。ひとつの音への思考は尽きることがない。音楽資料は、私たちが音楽に接するそうした場面に助けとなり、さまざまな要素を私たちに投げかけてくる。」-----松原千振

 
「若い頃何も知らないでやっていたことの意味が今わかる。今はシャイン、彼がどうしてその時代にそういうものを書いたか、それがシュッツやバッハにどうつながっていくか、勝手な想像だけれど・・・ドイツ初期バロックの音楽スタイルが時系列的に繋がって分かってくる。[所蔵LPレコード整理時の随想記録から]」-----今井邦男


「CKコレクション」のデータを保管するデジタルアーカイブシステム「Terra sight」画面
(提供: 寺田倉庫株式会社

これは経年劣化・破損が懸念される資料の安全な保管を可能にしたと同時に、長年の懸案である「広域利用サービス」を進めるための、小さな一歩です。
さらに、加速する気候変動の資料への影響はライブラリーが直面している重要な課題であり、それに対する積極的な取り組みでもあります。